夜間水詠

ひとつの言葉をテーマにした短歌と少々の随筆があります。良かったら覗いてみてください。

「電車」

ガタンゴトンは列車の鼓動 僕たちは鼓動に揺れる血液である

小窓から覗く世界はフイルムの映写機のよう かたかた動く

つり革はフラフラ揺れる 三角の間にシャケのおにぎり詰めたい

 

今日は電車に乗りました。ガタゴトと揺れてたら酔いました。

 

すごく体調が悪くなっちゃいました。ということで今日は短めにさせてください。

 

またね。

「掃除」

プリントの山をどけたら潰れてないやぶ蚊の死体佇んでいた

しゃっしゃっと竹ぼうきの先鳴らしてる用務員の肩につくもみじ

掃除用具入れの内部に入ってた理由を今では思い出せない

 

掃除は面倒くさいです。散らかってるものを整理する、床のゴミを取って、棚まで整理して。そこまで労力かけて生まれたのがただ寂しくなった部屋1つってあまりにも割にあいません。むしろ掃除すると、整理したものが見つからないっていうことが起こるし。

 

でも何かしなくちゃいけないときは無性にしたくなるんですよ。何かの期限に追われたり、積読を発見したときとかには何故か急に机の落書きを消したりするもんです

。つまり掃除は逃げです。してはいけません。

 

しかし、さすがにあまりにも汚いと良くないのも事実。だから、そう考えた人は大体掃除のスキルを上げるのでしょうが、私は反対でした。汚く見せないスキルばかり上がってしまいました。散らかった服の上に大きなクッションを置いたり、出来るだけ床を見せることで整ってる感を出したり。そうすることでごまかし続けてきたのです。

 

……書いてたら自分の汚さが浮き彫りになってきました。本当に必要だったのは私自身の掃除だったみたいです。

 

では掃除をしてきます。では、明日の夜もあいましょう。

 

またね。

「風」

手の甲を撫ぜるというより舐めながら通り過ぎてく木枯らし2本

太陽の光を背中にほっぺに風を装備しイソップになる

誰かさんのダッフルコートから脱獄した羽が風でここまで来たの

 

突然の0℃宣言を聞きながら今日は震えと共に過ごしましたよ。寒いですね。でも、寒いっていうより冷たいって方が正しいかもしれません。だって太陽は暖かいし、風だけなんですよ。寒い原因は。そして風は体の汗を冷やす。これは冷たいの方がイメージに合ってる気がします。

 

夏は熱風を、冬は冷風を届けてくれる自然界の鬼教官、風。どんなところにも滑り込んできます。私の後ろにも、ほら隙間風。震えが止まりません。あたたかくしましょうね。風に勝たなくてもいいから、引き分けぐらいには持ち込みましょうね。

 

寒いので次の夜で会いましょう。

 

またね。

 

「パスタ」

ファルファッレ心の中にファルファッレひらひら飛んで血に茹でられる

めっちゃ細いマカロニフォークの指1つ1つに刺して一気に食らう

アラビアータのペンネの中に極太の血管が混ざっていると気づく

 

私の中でパスタは短いやつ、スパゲッティーが長いやつっていう線引きがあります。

細くてくるくるしてるマカロニを茹でて、トマト缶に混ぜて唐辛子を振りかける。簡単アラビアータ。何となくおいしいなと思ってたのですが、最近初めてアラビアータを食べて違いすぎて笑いました。

 

昔はファルファッレにあこがれてました。名前もしっかり覚えてます。ちょうちょみたいな姿でかわいい。しかも、茹でるとぴらぴらしてさらにちょうちょ感アップ。ぬれてちょうちょになるって不思議な感じです。ちょうちょなら羽がぬれると飛べなくなるから。

 

この文を書いている今もペンネを食べてます。ちょっと固めに茹でて、くちくちと噛んでいると生きている感触ってこんな風なのかなって思えるのです。おいしいなあ、以上のなにかが隠れてるのかもしれません。穴の内面に。

 

以上。次の夜でも、会いましょう。

 

またね。

「夜」

こっそりと夜へ旅するかっちゃり、と鍵のテープカット音背に

おそらくは終電の音遠巻きに聞こえる振動は夜の鼓動

自販機の灯りをつなぎ真上から覗けばハエの形なのかも

冬の夜 固まっているような空 解してあげよう垂らす鼻息

電灯にもたれかかればスポットを当てられる私なに役だろう

 

私は夜がとても好きです。昼とは違う静けさと冷たさがすごく体にいい気がするからです。

夜になると、私はたまに外へと出かけます。特に車通りの少なくなる23時頃。目的地は大体近くの自動販売機。その間約10分間。ざりざりとアスファルトを鳴らし、昼より多少、冷たくなった空気を吸い込んで空を見上げると、星が綺麗なのです。私の住んでいるところは地球にある灯りがとても少ないので、綺麗です。星座や何等星か知らなくても、星は綺麗です。やはり、星を最高の姿で魅せれる夜は唯一です。

 

夜は時間がゆっくりになる感覚に包まれます。何も期限が無いからでしょうか。たゆたっているような、でもふわふわとはしていない、そんな感覚が大好きです。

時折、夜は不安になるという人を聞くことがありますが、それは少々、夜を怖がりすぎだと思うのです。夜は、冷たく、暗く、静かで、見えない。でも確かに夜は寄り添ってくれます。窓を開けて覗いてみてください。夜は怖がらせようとしているわけではありません。夜は、寄り添ってくれているだけなのです。

 

不安があるなら、夜に聞いてもらえばいいでしょう。夜は何も言いませんが、否定はしません。最高の相談役だと思いますよ。

 

今日のお話は、ここまで。また、次の夜で会いましょう。

 

またね。

挨拶と説明

こんばんは。鹿島小唄といいます。

 

このブログでは深夜、私が適当にテーマを決めてそのテーマに沿った短歌、随筆をのせるという事をしています。

 

短歌の数は、日によって変わります。1つか3つか9つか。

 

随筆も短いか長いか分かりません。適当に。

 

こんなもんです。気軽に覗いてみてください。重荷にはならないと思うので、ひとつでも歌を詠んでみてください。不快になったらごめんなさい。

 

では、今日はここまで。次の夜から、本格的にスタートします。

 

では、また次の夜にあいましょう。

 

またね。

 

追記。あいさつ代わりに短歌を1つ。

 

たくさんのおやすみバイバイまた明日空に浮きスペースデブリになる